技術とデザイン、ホームページと車で考える

こんにちは&こんばんわ。上月です。

今回はデザインについて書いてみたいと思います。

ホームページのデザインとは、デザインの中でもかなり独特な分野と考えています。それは、ホームページのデザインとは、自動車のデザインと同じように、その時代時代の「技術的な裏付け」によってデザインが決定される、という原因があります。

例えば自動車であれば各種鋼板やプラスチック、FRP、CFRPなどの素材、それらへの加工技術、信頼度、そしてマイコンによる各種の制御、などによって、「各種法的制限を受けつつも新しいデザインが生み出される」状況と言えるでしょう。

一方、ホームページにおいては、その次代の主流のブラウザのCSSやjavascriptの進化による一方的な表現の幅の増加、でしょうか。

(ようやくIEが「正式」に終了し、デザイナやコーダの仕事がしやすくなった、と思ったら、次はiPadなどのウェブキット系レンダリングエンジンがIEの地位を皮肉にも継承しつつある、と思うのは私だけでしょうか…。)

自動車の場合は、古い自動車であっても、その次代を象徴する美しさがあります。むしろ逆に法的規制や絶対数の減少などによって、「新車よりも型落ちの中古の方が高い」、という場合も少なからず存在します。

ただ、少なくとも現時点においては、ホームページでは「古くて良いデザイン」という感覚はあまりないような気がします。

これが車などであれば、古いデザインは「ヴィンテージカー」などと呼ばれて、乗り心地は悪い、壊れる、うるさい、暑い、そんな車にも、とんでもない値段がついたりもするのですが。

ホームページとはソフトウェアであるが故に、「ビンテージ」ではなく、陳腐化という言葉しか存在しないのかも知れません。もちろん、旧来の自社ホームページの面影を残しつつ、新しいホームページを作っていくというスタイルは、大いにありうると思いますが。

ホームページの場合、その時代ごとに「標準的なデザイン」が存在するような気がします。その標準的なデザインを各クライアント様のご要望に合わせてホームページを作り上げてゆく、そんな感じでしょうか。

とはいえ、時代が変わろうとテクノロジーが進化しようと、根本的な美意識とは、それぞれの文化に流れる価値を忠実に再現したもので、あまり大きくは変わらないのかもしれません。

基本に忠実に、より長い時代に耐えうる、そんなデザインをして行ければ、と考えています。

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